Shoken Startup Blog

KitchHike Founder/CTO

"デザインとは" で検索した記事の筆者に会いに行った3年前、僕はデザイナーの探し方がわからなかった

3年前の自分に伝えたいデザイナーの探し方

3年前の2014年3月、 KitchHike をローンチして1年がたった僕らはデザイナーを探していた。いままでWeb制作業界とは縁がなかったので、どうやってデザイナーと知り合うのか、そもそもどこにいるのかわからず、途方に暮れていた。デザイナーが見つからなすぎて、もう自分でデザインを勉強するしか無いと思い、やみくもにGoogleで “デザインとは” と検索した時、1つの記事を見つけた。それはデザインの基本をわかりやすく説明した記事だった。こんな記事を書くデザイナーが仲間にいてくれたらどんなに心強いだろう、と何度も思いながら記事を読んだのを覚えている。気がついたら記事の著者にメールを送っていた。(当時は直接メールで連絡を取ることしか思いつかなかったようだ。)

ダメもとで送ったメールには信じられないくらい丁寧な返信があった。何日か後に、WindowsのノートPC片手に渋谷に現れたのは、2週間後に卒業予定の大学生で、その時はMacも開発経験も持ってなかったが、デザインへの、そして何かを作らずにはいられない情熱を持っているように感じた。

数日後、渋谷のヤマダ電機にいっしょに Mac を買いに行った。(MacBook Airをすすめたのに、固くなにMacBook Proにこだわって、結局 MacBook Pro を買った。)エンジニアではないのに、Terminalの黒い画面に抵抗が無いことが印象的だった。なので、git, rails, sassの覚えはとても早かった。

ただ、そのころの僕らには、新卒からデザイナーを育てるリソースも仕組みもなかった。

大学生はどこにも就職せずにフリーランスの道を選んだ。充分なフィーはまったく払えてなかったが、それでもデザイナーとして、ときどきスポットで手伝ってくれた。3年間で、3つのプロダクトに関わってもらい、世の中にリリースした。その間に、彼女は自分で探してきたフリーランス案件で生活費を得るかたわら、OSSコミュニティで活動し、書籍を出版し、npmでインストールできるオープンソースフォントをGitHubで公開していた。

出会ってから3年後の2017年3月、ちょうど同じ日に2人で話をした。場所は渋谷から上野に変わっていたけど、彼女の、情熱をやさしく包みこんだ信念に満ちた瞳は、3年前と変わっていなかった。

3年前、KitchHikeはローンチから1年たっていた。これから仲間になってくれるデザイナーを探すのは遅すぎるんじゃないか、と当時は悩んでいた。やみくもに探しても見つからないのでは、と先の見えない状況の中で何度も不安になった。ただ、なぜだかわからないけど、理想のデザイナーは必ず自分で見つけて仲間にするんだ、という強い信念のもと、専任のデザイナー無しでここまでがんばってきた。もし3年前に戻れるなら、

「何かをやるのに遅すぎることはない。未来で必ず実を結ぶから、今すぐアクションをおこせ。」

と伝えたい。そして、それは同時に3年後の未来の自分からのメッセージだとも思っている。



ふとGoogleで “デザインとは” で検索してみる。1番目にヒットしたのは、3年前に大学生が書いた記事だった。

でもそれも昨日までの話。



今日2017年4月1日からは、8人目の仲間となった、 “KitchHikeのデザイナー” が3年前に書いた記事、になるよ。

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KitchHike オフィスで撮影

Wantedlyに投稿しました。 叩くべきは木魚ではなくエンターキー。お寺生まれのCTOが出家と家出の狭間で、ついに見つけた自分がやるべきこと。

この文章、インタビュー形式なんですが、セルフインタビューとして全部自分で書いてます。実は、第一稿から内容を練ること3ヶ月、ようやく公開となった力作です。年越してます。

以下のような構成になっています。それぞれの書き出しを引用します。

生まれてからお寺を出るまで

実家がお寺で父親がお坊さんという一般的な家庭で育ったため、普通に生きていきたいと思っている将来の夢はサラリーマンという少年でした。

大学卒業から会社員へ

その後大学に戻り、これまでの反省を活かして勉学に取り組んだ結果、順調に単位を取得し8年で卒業した後、お寺には戻らないことを決めて実家と連絡を絶ちました。

卒業後、これまでの経験を活かすために大手企業のエンジニア職へ。お寺では死について学んでいたのでプログラミングはC言語から始めました。

KitchHikeを始めた理由

2012年、のちにKitchHikeの共同創業者となる山本雅也と出会います。雅也と出会ってしばらくして、KitchHikeというアイデアが生まれました。

これからの世界、とくにインターネットについて思うこと

20年後に、「あの世代はわかっていなかった」と言われないために今やるべきことは何だろう、と考えています。時代は、かつてこの世界に生きた人たちが経験しなかった未知の領域に入っていきます。ある歴史の、特別な曲がり角に入ったところと表現できるかもしれません。曲がり角の出口が近いのか、遠いのかはまだ誰にもわからないくらい、時代は深くなっています。

まとめ

自分自身がやりたいことはお寺の本堂にはありませんでした。

時にはまっすぐに目の前のものに取り組むことや、回り道に見えてもまったく違う世界に飛び込んでみることも長期的な視点では大切だと思います。それはブリコラージュの断片となり得るからです。

もし気になった人は読んでみてください。

www.wantedly.com

KitchHike Tech Blogを始めた

2017年の始まりと同時に、KitchHikeプロダクトチームの技術ブログを始めた。

tech.kitchhike.com

技術ブログを始めるにあたって、個人ブログを書き始めたのはいつだったか遡ってみると、ちょうど10年前くらいだった。たしか、その当時は MT(Movable Type) が流行っていて、大学の研究室のサーバーにインストールしてブログを書いていた。その後、「へんな会社」のつくり方 というはてなを作った近藤さんの本を読んで感銘を受けてはてなブログに移ったことが、このブログの最初のエントリーとして残っている。それが2007年5月。

shoken.hatenablog.com

技術ブログの記事は、ある程度サービスの開発経験がある人でも読んで得るものがあるようなクオリティを目指して書いていきたい。KitchHikeの開発と運用を通して、現場からの課題やメンバーの取り組みを記事に残していきます。

生産性とアウトプット

2017年の目標として、この2つにこだわっていきたい。

  1. 生産性を上げることにこだわる
  2. アウトプットを出すことにこだわる

1の生産性については、自動化や評判の良いツールを積極的に普段使いに取り込んでいく。まず新年1発目として、Mac OS をSierraにあげた。 OS は様々なソフトウェアに影響する基本ソフトなので、積極的に最新版を使っていく。ただ、大きく発表されていた新機能のほとんどは、自分が使う範囲ではあまり恩恵無し。Picture in Picture がおもしろいくらいか。

生産性といえば、去年の秋頃に導入した tmux は非常に効果的だった。ターミナルやエディタのように、長時間使うツールはどんどん評判の良いものを試していきたい。初期学習に多少時間がかかっても、これから数年間使うことを考えると十分リターンがある投資になる。次は、年始の休み中にzshを試してみようと思う。

2のアウトプットは、プロダクトももちろんだが、ブログ記事や外部への発表、OSSへのコミットにも力を入れていきたい。特にブログ記事は、冒頭でも書いたが10年前から書いてきて、数年前の記事にブクマされるということは良くある。記事を書くのは時間がかかるが、一度書いた記事は利子を生みだす。数年で考えるとこちらも非常にリターンが確実な投資になる。

ところで、Facebookで使われている言葉で、 “Shut the fuck up and write some code” というのがあって、ゆーすけべーさんが “グダグダ言ってないでコードかけよ、ハゲ” という日本語に訳されていた。 これを受けて、小飼弾さんが、

だけどそれ以上に大事(だいじ|おおごと)かつ小事(しょうじ|こごと)だと私が感じているのは、作品を表に出す事。

404 Blog Not Found:Don't be shy and show your code - 紹介 - Webサービスのつくり方

と言われている。

エンジニアの作品はプロダクトであり、今の時代ならOSSとして表に出すのが良いだろう。去年は知人のオープンソースフォントをRailsで簡単にインストールできるようにgem化した。

github.com

引き続きgemのメンテナンスを続けながら、自分のプロダクトもいくつか表に出していくことが今年の目標。(このオープンソースフォントの作者は、いまKitchHikeのWebデザインを担当してもらっている。)

まとめ

もちろん、自分の本業は KitchHike のCTOであり、いまどんどん増えている社員と一緒に全力で取り組んでいく。しかし、本業のみを行なっていても、技術的向上やアウトプットによる物事の整理と理解がなければ、どこかで限界を感じてしまうだろう。 KitchHike の成長と同時に、自身も成長していかなければならない。

本業を1の生産性を上げることで効率的に行い、2のアウトプットの時間を捻出する。それが今年の目標。

さあ、2017年、がんばるぞー!

StartUp CTO Night に行ってきた。発表スライドまとめなど #ctonight

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CTO Night!!!
上の最高にナイスな写真はAWS 高山さんから掲載の許可をいただきました。僕は写ってません。中心に写っているのがAmazon CTO Werner氏。

2014/07/15 にアマゾン社の目黒オフィスで開催された、Startup CTO Night with Amazon CTO というイベントにKitchHike社のCTOとして参加してきました。 Amazon CTO Werner氏による基調講演から始まり、日本の著名なスタートアップのCTOが自社でのAWSの使い方を発表。遅刻してしまって基調講演を聞き逃してしまい後悔。。

しかし、そこは毎日屋台骨を支えているCTOのみなさん、ハッシュタグ#ctonightでポイントを押さえておいてくれました。togetterはこちら。 http://togetter.com/li/693281

発表者リスト

  • Amazon CTO Werner氏による基調講演
  • ChatWork 山本氏
  • KAIZEN platform 石橋氏
  • Nulab 縣氏
  • Sansan 藤倉氏
  • SmartNews 大平氏
  • Sumally 北村氏
  • Vuzz 清田氏
  • Wantedly 川崎氏

肩書きこそ違えど、各スタートアップのCTOや技術責任者の方々。 なんという豪華な顔ぶれ。

そして、発表後に毎回行われたWerner氏と発表者の質疑応答がとても良かった。

発表スライド

公開されている発表スライドをまとめてみた。

Vuzz

Amazon CTOが選ぶHottest Startup Awardに選ばれたVuzz CTO 清田さんのスライド。 うちも料理に関するサービスなので、料理繋がりの大好きなサービスです。 (宣伝: KitchHikeとSnapDishはユーザー連携できる機能があって、KitchHikeのプロフィールページにSnapDishの写真を表示できます。)

料理は世界を繋ぐ! Enjoy Cooking!

Nulab

Nulab CTO 縣さんのスライド。Cacooというとても便利なサービスを福岡から世界中のユーザーへ向けて開発されてます。今日も福岡から来られたそう。Cacooの他にも、Backlog、Typetalkという有名サービスも開発されています。

Wantedly

Wantedly CTO 川崎さんのスライド。英語ぺらっぺらで、外国人かと思いました。Werner氏との質疑応答も流暢にこなしてました。これからのCTOには英語力必要なんだな。

所感

  • MongoDBを使っている会社が多かった。
  • Werner氏による「カスタマーフォーカス」の理念・信念に全CTOが泣いた。(誇張表現あり)
  • AmazonSOAの話も出た。この話? https://news.ycombinator.com/item?id=3101876
  • KitchHikeも発表する側になるように成長していきます。英語やらなきゃ。